2026/5/29
CDP
【支援実績】CDP気候変動5年連続Aリスト。スコアリングパートナーとの協働が開いた次のステージ(東急不動産ホールディングス株式会社)

東急不動産ホールディングス株式会社は、2010年頃の草創期からCDP、DJSI、FTSE4Goodなど外部評価への回答を始められたサステナビリティ情報開示の先進企業です。2022年よりCSRデザイン環境投資顧問のCDP回答サポートを活用し、CDP気候変動5年連続A評価・水セキュリティ2年連続A評価を達成。グループサステナビリティ推進部の吉田様、松本様に、CDPに取り組んできた歩みと今後の展望を伺いました。
01 環境取り組みの「第三者評価」を求めて——2010年からのCDP参加
CDPへの回答を始められたきっかけや背景を教えてください。
参加を始めたのは2010年頃です。当時、社内で環境への取り組みを進めていく中で、経営層からも「これからは環境が重要になる」「独りよがりにならないよう、第三者からきちんと評価を受けるべきだ」という方向性が示されました。数あるグローバルな環境指標の中でCDPが有力な選択肢として浮上し、DJSI、FTSE4Goodといった評価フレームワークへの対応を同時にスタートしました。
その後、投資家に「どの環境指標を参考にしているか」とヒアリングをした際、CDPの関心が高く、現在も引き続きCDPへの対応を継続しています。
2022年以前、外部サポートなしで回答されていた期間のご状況はいかがでしたか。
2022年にCSRデザイン環境投資顧問にサポートをお願いするまでは、英語での回答が求められた時代も含め、すべて内部で対応していました。期待したスコアが得らなかった年もあり、評価を高めていく方法については試行錯誤の状態でした。また、社内担当の知識の連続性を担保する意味からも、外部のサポートの必要性を感じるようになっていました。
02 「スコアリングパートナー」という決め手
CSRデザイン環境投資顧問にサポートをご依頼いただいた理由をお聞かせください。

一番大きかったのは、依頼当時、CDPのスコアリングパートナーであった(注:現在は別制度に移行)という点です。CDPの回答は採点基準が複雑で、「どうすればスコアが上がるのか」という観点からのガイダンスが特に重要でした。スコアリングパートナーとしてその知見を持っていることが、依頼先を選ぶ際の最も重要な判断軸でした。
また、CDPの回答範囲が気候変動だけでなく、水セキュリティやフォレストへと広がったことも導入の背景にあります。これまで社内では聞いてこなかったデータを各部門から収集する必要が生じ、内部リソースだけでは手が追いつかなくなってきていました。外部のコンサルタントが並走することで、社内調整も進めやすくなるのではという期待もありました。
03 ExcelとプレスコアリングがCDP対応の質を底上げした
回答支援ツールや作業プロセスについて、いかがでしたか。
最初はWordベースでのやりとりでした。コメントがどんどん累積していく形式で、どのタイミングで誰が何を確認したのかが追いにくく、特に自由記述の採点対象だった時期は編集履歴が膨大になり、見返すのが大変でした。それがExcelシートに変わってから、作業効率が大きく改善しました。プルダウン選択や時系列のコメント管理が可能になり、確認の流れが格段に整理されました。
また、2025年からプレスコアリング(提出前の得点予測)をご提供いただけるようになり、これは特に良かったです。以前は自分たちで得点予測をしていたので、合っているのか不安な部分がありました。採点者の判断が読み取りにくい設問についても、御社なりの見解を示していただくことで、提出前の確認作業に安心感が生まれました。
04 A評価5年連続が証明した成果——社内浸透と投資家活用
CDPへの取り組みを通じた成果や、社内・対外的な活用状況を教えてください。

CDP気候変動で5年連続A評価、水セキュリティでも2年連続A評価を達成することができました。これは社内でも大きな変化をもたらしています。かつては「データ提供が面倒」という反応もあった各部門が、昨今では協力的になってきました。CDPという言葉自体が社内に浸透し、サステナビリティへの取り組みの重要性を理解してもらえる雰囲気が生まれています。
対外的には、サステナビリティ指標の同業他社比較において、当社が高い位置にいることを第三者評価として示せるようになりました。また、投資家向けの社内説明ツールとしても活用しています。「役員報酬に対するサステナビリティ関連割合が10%未満だとCDPスコアに影響します」といった形で、CDP基準を経営課題と結びつけて説明することで、役員の意思決定を促す場面でも役立つなど、CDPは単なる情報開示の場ではなく、社内変革を推進するエンジンとしての役割を担っています。
05 環境プレミアムとネイチャーポジティブ——次のステージへ
今後のサステナビリティの展望についてお聞かせください。
今後力を入れていきたいのは、環境取り組みを事業収益に継続的に結びつけていくことです。環境価値だけでは購買・投資判断につながりにくい現状の中で、環境以外の価値も合わせて提供することで「環境プレミアム」を生み出せる仕組みを模索しています。当社オフィスビルのテナント様と連携した「チームグリーン」的な取り組みもその一環で、一緒に環境課題に取り組むことで発信力を高め、共同でのPRや環境勉強会の開催も視野に入れています。
もう一つの柱はネイチャーポジティブへの対応です。CDPでも気候変動にとどまらず、水セキュリティ、フォレスト、オーシャンと回答範囲が広がっています。CDPでも取り上げられるようになったSBTN(自然に関する科学的根拠のある目標設定)についても今後の課題として認識しております。CDPの質問書が変わるたびに、それが世の中のトレンドを反映しているという認識を持ちながら、常に先手を打って取り組んでいきたいと思っています。
【取材協力企業】
東急不動産ホールディングス株式会社
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