2026/5/19
CDP
【支援実績】プレスコアリングからポータル入力まで、一気通貫の伴走支援でCDP A評価をサポート(アドバンス・レジデンス投資法人)

伊藤忠リート・マネジメント株式会社は、住宅特化型REITである「アドバンス・レジデンス投資法人(ADR)」の資産運用を担う会社です。2014年頃から不動産セクターに特化したサステナビリティ評価であるGRESBリアルエステイト評価に取り組み、先進的な取り組みを続けてきた同社は、2023年にADRとしてCDPへの回答を開始。2024年には気候変動分野でA評価を取得しました。2025年からCSRデザイン環境投資顧問のCDP回答サポートを活用するに至った背景から社内体制・活用方法まで、総務管理本部長代行 兼 サステナビリティ推進部長の芝原様と、サステナビリティ推進チーム スペシャリストの近森様に伺いました。
01 サステナビリティの取り組みを、国際的に「見える化」したい
CDPへの取り組みを始められたきっかけや背景を教えてください。
参加を決めた理由は大きく2つあります。一つ目は、当社が進めてきたサステナビリティの取り組みを、国際的に認知された枠組みのもとで見える化したいという思いでした。CDPは世界共通の評価軸を持つフレームワークですので、スコアを取得することで「当社の取り組みが国際水準と整合している」「高い水準にある」ということを投資家やステークホルダーにきちんと示せると考え、2023年から参加を開始しました。
2つ目は、業界全体の動向です。ここ数年、同業のREIT(不動産投資信託)がCDPに参加するケースが増えてきています。横並びで比較できる環境が整いつつある中で、当社が参加していないことは「サステナビリティへの取り組みが相対的に遅れている」と受け取られる可能性があります。そうした評価低下のリスクを課題として認識し、参加を決断しました。
社内の推進体制についても教えていただけますか。

会社のトップからは「最先端に行く必要はない、でも半歩は前に出ろ」と常々言われています。半歩前を目指すには、実質的に一歩前を狙って動くことが重要です。CDP参加においても、事業会社のスポンサー企業がすでに参加していたことから馴染みがあったため、参加へのハードルは比較的低かったと思います。
また、サステナビリティ実務委員会を月次で開催し、運用部・IR部など各部のサステナビリティ担当者が集まって進捗共有や依頼事項の確認を行っています。CDP回答に必要なデータ収集も、この仕組みを通じて全社を巻き込んで実施しています。
02 費用対効果と長年の信頼が、コンサル選定の決め手に
複数社を比較した中で、CSRデザイン環境投資顧問を選んでいただいた決め手は何でしたか。
最大の決め手は、サポート内容の充実と費用対効果のバランスです。他社様と比較した際、CSRデザイン環境投資顧問は回答作成のサポートにとどまらず、提出前のプレスコアリングから最終的なポータルへの入力代行まで一括で対応いただけるという点が、非常に魅力的に映りました。
CDP回答の時期はGRESB回答やESGレポート作成と重なり、担当リソースが最も逼迫する季節です。そのタイミングでポータル入力まで引き受けていただけることは、担当者として業務負担の大幅な削減に直結します。費用面でも他社様より優位性があり、費用対効果で明確に差がありました。
また、GRESBでの長年のお付き合いがあったので、自社のサステナビリティの状況や資産特性をゼロから説明しなくて済む点も、大きな安心感でした。
CDP認定パートナーである点や、A評価のREIT実績はご選定の際に評価いただけましたか。
CDPの質問書は、英語を機械的に和訳したような表現が多く、言葉の定義も曖昧です。「この質問は実際に何を聞いているのか」という解釈が難しく、的外れな回答になるリスクがあります。その点で、CDP認定パートナーとして豊富な知見をお持ちであることは非常に心強かったです。
また、国内でCDP A評価を取得しているREITでの実績がおありということで、「REIT業界の特性を踏まえたアドバイスをしてもらえる」という期待が持てました。GRESBに限らず、総合的にサステナビリティ全般をサポートいただける、頼れるパートナーだと感じています。
03 使い勝手のよい回答ツールが社内確認を効率化
回答支援に使用する回答ツールの使い勝手はいかがでしたか。
非常に使いやすいと感じました。他社様はWordベースのツールが多い印象でしたが、CSRデザイン環境投資顧問のツール(※2025年はExcel形式)はGRESBのやりとりで以前から扱い慣れていたため、すんなり導入できました。
特に優れていると感じたのは、社内確認のプロセスです。コメントが時系列で積み上がっていく仕様になっているため、「どのタイミングで誰が確認したか」が一目でわかります。ワードのコメント機能はどうしても見づらくなりがちですが、このツールなら最終確認まで抜けなく管理できました。また、各設問がどのスコアリングカテゴリーに対応しているかも後から振り返りやすく、回答の質を高める上でとても役立ちました。
04 A評価が社内を変えた——投資家との対話にも新たな手応え
サービスを活用しての成果と、社内・対外的な活用状況を教えてください。

サポート全体を通じて特にありがたかったのは、スコア発表後の分析レポート(※カスタマイズ版)です。以前は自分たちで得点要因を分析しなければならず、CDPの評価軸が分かりづらいこともあって苦労していました。御社に分析レポートをご提供いただくことで、「何が評価されたか」「どこが課題か」「次の施策でどれだけ得点が伸びるか」が一覧で見える化されました。
このレポートは社長への報告資料としても活用しています。「この取り組みがスコアにつながった」という説明がしやすくなり、経営層への理解促進にも役立っています。また、投資家との面談でも、CDP A評価という実績をもとに取り組みの水準を具体的に伝えられるようになりました。
CDP A評価は世界でも上位4%程度の企業に限られる高い評価であり、実際に投資家からお褒めいただいたこともあります。社内のモチベーションも上がりました。評価されると、もっと頑張ろうという雰囲気が生まれます。
05 「見えない貢献」を定量化する——次のフェーズへ
今後のサステナビリティの取り組みで、特に注力されたいテーマはありますか。
CDPやGRESBへの対応は引き続き力を入れていきますが、それ以上に力を入れたいのが、「実態としての貢献」を定量的に示すことです。LED化や非化石証書の購入は分かりやすい取り組みですが、それだけではありません。例えばリノベーションや大規模修繕を積極的に行って建物を長寿命化することで、エンボディドカーボンを削減できる、そういった取り組みをきちんと定量的に分析し、投資家にも説明できる形にしていきたいと考えています。そのため、弊社の取り組みの貢献度合いを、学術的・客観的な分析によって裏づけられるよう準備を進めているところです。将来的にはCDPの水セキュリティへの対応も検討しています。業界全体の動向を見ながら、「半歩前」の取り組みを広げていきたいと思っています。
【取材協力企業】
伊藤忠リート・マネジメント株式会社
https://www.itc-rm.co.jp/
アドバンス・レジデンス投資法人
https://www.adr-reit.com/